借金生活を乗り切る方法

カードローン、クレジットカード、キャッシング…、気がついた時には約1,000万円に膨れ上がっていた借金。返済に追われるなかで知った/体験した、借金生活を乗り切るための情報

借金が1,000万円に膨れ上がった理由

10万円から始まった借金生活

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最初の借金は、20歳の時でした。

消費者金融のアコムです。

若い時から、よく言えば不労所得、悪く言えば楽して儲けることに興味があり、株をはじめとした投資の勉強(勉強と言っても本を読む程度)をしていました。

そして、バイトで貯めた10万円で株を始めました。

ネット証券に口座登録、10万円を入金します。最初は、自分が買った株価が上がり、上機嫌となります。色々勉強してきた甲斐があった!と。

その後も、しばらく、調子よく10万円だった資金が20万円近くにまで増えました。 

しかし、そんな調子は、長く続きません。上がると思って買った株の値が下がって売却。損した分を取り返そうと別の銘柄を買いますが、それもなかなか上がらない。そうこうしているうちに、元の10万円程に資本が減少します。

さらにこの時、大した理由でもなかったと思いますが(気になっている女子の食事をご馳走するとかプレゼントするとか)、10万円の資本金から数万円を引き出してしまいます。さらに別な用事で数万円をさらに引き出し、そして、買った株価は下がり続ける…。

10万円の投資は失敗に終わります。

ここでまた、バイトに精を出してお金を貯めればよいのですが、手っ取り早く投資するお金を得る方法がないか考えます。そして、導いた答えが借金でした。

事前にいろいろ調べ、はじめての借金は「はじめて~の~アコム」を選びます。

そして、アコムから10万円の借金をし、株へ投資します。借りたお金、株ですぐ取り返せばいいんだ、と思っていました。しかし、そんなに上手く事は運びません。所詮、株の初心者です。

結局、前と同じように10万円を失います。

そして、残ったのは、10万円の借金です。

借金を「返すお金」でなく「使えるお金」と感じるようになる

この時は、残った借金を苦痛と感じませんでした。たかだか10万円、まだ若いし、何とでもなる、そう思っていました。

この時、借金に対して苦痛だったり罪悪感だったりを感じればよかったのかもしれません。しかし、カードローンのカードを、銀行のキャッシュカードと同列に扱うようになります。

自分のお金としていつでも使えるお金になるんですね、返すお金でなく。

そして、返済して返済した分を借りる、ということを繰り返していくようになります。10万円の借金なので、毎月の返済は数千円です。また借りられる金額も数千円程度です。

その数千円を我慢すればよいのに、「使えるお金」だから何のためらいもなく返しては借りるを繰り返すようになります。

そんな事を数カ月繰り返し、ATMでまた借りようとした時、画面で「追加融資」の案内がでてきます。ちゃんと返済しているから追加融資ということですね。私は、ここでも「使えるお金が増える」ということで、何か特別使う予定もないのに、いつか使うかもしれないし…という安易な気持ちで、追加融資を申し込みます。

おそらく、20万円くらいの融資だったと思います。

たった5分程度で、何の努力もせずに「使えるお金が20万円も増える」という事実に直面し、金銭感覚がこの時、少しズレ始めたように思います。

20万円が使える、だからちょっと贅沢なご飯を食べる、ちょっと贅沢な時間を過ごす、ちょっとだけ、ちょっとだけ、20万円あるからちょっとだけ…を繰り返していきます。

そして、気がついた時には、追加の20万円は限度額が天井までいっています。

ちょっと贅沢を望む気持ちのベースが引き上げられ、一度引き上げられたベースは、なかなか元に戻せません。

ちょっと贅沢を望むベースが引き上げられ続け、車や家など、何か大きな買い物やギャンブルで大損したわけでもないのに、25歳頃には、レイク、アイフル、プロミスと、消費者金融4社から借り入れすることになっていました。

金額は、クレジットカードのリボ払いを含めると、合計、300万円程はありました。

最初、10万円で始まった借金が、ギャンブル依存や、FXで大損といったこともなく、数年で300万円にまでなることがあるのか?疑問に思う人もいるかもしれません。

しかしそれが、あるんです。

総量規制の法改正によって借金が急加速した二つの理由

その頃、一つの法律改正が施行されます。これによって、借金の増える量がどんどん加速していくことになります。

その法律は、2007年に施行施行された、賃金業法の総量規制です。借入金額は、年収の三分の一までとするものです。

この法改正、総量規制を敷くことで、個人の借金の負担や破産を減らそうという意図でしたが、少なくとも私にとっては逆効果となりました。

理由は2つあります。

一つ目は、クレジットカードのショッピング枠をそれまで以上に使うようになったことです。

法改正がなされた時点で、消費者金融からの借金総額は、年収の三分の一を超えていました。そのため、追加の借入はできません。それまで返済すれば返済した分はまた借入できていたのに、それが出来なくなります。返済専用となったのです。

そこで、いつものように、もうちょっとお金が必要となった時、それまで現金で支払っていたものでもクレジットカードを使うようになります。そして、支払いをリボ払いにします。

リボ払いも、上限があるため、追加上限金額を申請していきます。

私は、仕事もちゃんとしていましたし、支払いを遅れたりといった事は一度もありませんでした。

そういった事が、カード会社からして、良属性とうつったのでしょう、一定の期間を空けて申請すれば、限度額は上がっていきました。

もう一つの理由は、銀行カードローンです。

総量規制によって、借金は年収の三分の一までとなりましたが、これは、賃金業法であって貸金業の会社、つまり消費者金融が対象であって、銀行は、その対象となりません。つまり、銀行からの借り入れは、年収の三分の一を超えることができます。

消費者金融から追加借り入れが出来ない、クレジットカードのショッピング枠も限度額ぎりぎりで、追加申請するにはまだ期間が空いていない…、そこで、わたしは銀行カードローンに借金を申し込んでみることにします。

それまでの消費者金融と違って敷居が高い印象がありましたが、何てことはなく、すんなりと借入ができました。

近頃は多重債務の温床として批判されることもある銀行カードローンですが、当時は、消費者金融で借りられない人に向け、新たな顧客確保のチャンスとばかりに、今よりも積極的に融資に動いていたと思います。

私は、その時流にのったということなんでしょうね。

私の会社では、ボーナスがでます。また、業績が良いと、業績賞与として年度末にそれなりにまとまったお金をもらうことが出来ます。

私は、まとまったお金が入ると、借金の返済をまとめて行いました。特に大きな買い物をする予定もなく、また、冒頭に書いたように「返すお金」でなく「使えるお金」という意識があり、どうせ後で使えるから、一度、まとめて返しておこうという感覚です。

そういう時、消費者金融の一社、または二社、完済してしまう時があります。

結果的に、それらの消費者金融から追加の借り入れを行うことになるのですが、一時的に借金が大きく減ります。

そうすると、1カ月~3カ月たつと、銀行から、増枠の案内がきます。30万円、50万円の増額案内の時もありましたが、100万円の増額案内といった時もありました。

一度に借金が大きく減少し、支払い遅延もない、追加の借り入れもしている、年収などの属性も悪くない…銀行側から優良顧客と判断されていたのだと思います。

増額案内があると、使う予定がなくても、全て増額申請し、そして、増額されました。

そうすると、「使えるまとまったお金」がある状態となって、懐に大きな余裕がある精神状態となります。実際は、「返さないといけないお金」が膨らんでいるにも関わらず。

その結果、お金使いがどんどん荒くなっていきます。友人や会社の同僚と夜に豪遊といったことも繰り返していくようになります。一晩で10万円、20万円使うといったこともざらにありました。

そんな事を繰り返しているうちに、銀行カードローン300万円が二社で合計600万円、もとからあった300万円、さらにクレジットカードのリボ払いを含め、合計1,000万円強の借金を抱える身となっていたのです。

1,000万円に膨れ上がった借金生活を振り返って思う事

振り返ってみて、借金1,000万円になったのには、たくさんの原因があります。無計画さ、お金の管理の杜撰さ、荒さ、意識の甘さ…

いま思う一番の原因とは、借金を「使えるお金」と意識してしまったことだと思います。借金は「返すお金」です。「返さなければいけないお金」です。当たり前のことなのに、お金が借りられる状態になると、そんな頭り前のことがわからなくなってしまいます。

借金は「返すお金」です。 

誰もが、様々な理由で借金をすることはあるでしょう。その時に、借金は「返すお金」であるということを、強く意識しないと、金額の大小はあれど、私のような経験をしてしまう危険が常にある、そう思います。