借金生活を乗り切る方法

カードローン、クレジットカード、キャッシング…、気がついた時には約1,000万円に膨れ上がっていた借金。返済に追われるなかで知った/体験した、借金生活を乗り切るための情報

どうしても今月の支払いが間に合わない時の対処法

精神的に追い詰められる返済遅延

家賃、公共料金、携帯電話料金、クレジットカードの支払い、ローンの支払い…。

借金をしていてもしていなくても、毎月支払いというものはあります。

自分の収入と支払いとをバランスよく計画をたて、計画通りの生活をできれば、支払いに困るということはないですが、計画通り進まないものです。

特に借金を抱えていると、もともと生活がマイナス収支から始まっているわけなので、「今月の支払い(返済)に困った!」という事は、少なからず起こるものです。

私も、「今月の支払いに困った!」状況は、たびたびありました。今後も起こる可能性は十分にあります。

支払いの中でも、やはり、借金の返済が間に合わない状況というのは、精神的に非常に追い詰められてきます。

延滞になるのは嫌だ、けれどお金がない、金融会社からの電話が怖い、けれどお金がない…。

借金の返済(クレジットカードの支払いも含みます)、どんな対処法を取るのがよいか、私なりの考えを書いていきます。

債務整理後、債権者と直接のやり取りをすることに

私は、任意整理によって全ての債権者と支払い総額、毎月の返済額の合意がなされた後(任意整理後4カ月)、弁護士への委任を解除しました。

理由は、弁護士を通して支払いを行うより、私自身が直接、各会社へ支払いを行った方が、毎月の返済総額が小さかったからです。

これはどういうことかいうと、任意整理の場合、私が契約するのは弁護士だけです。各債権者と返済額等の合意内容について契約するのは、私の代理人である弁護士になります。
そのため、私が毎月支払う金額は、弁護士と私との合意に基づいた金額となります。

弁護士側から提示された支払い金額は、各債権者と合意された毎月の返済総額の合計よりも2割近く多い額となっていました。

これは、詐欺とか悪意、もしくは手数料といったものではなく、余裕のある金額を弁護士に預けておく、という処置になります。毎月返済を続けていく中で、私が病気になってしまった、会社をクビになってしまった…等、何らかの理由で、支払いが出来なくなってしまった場合、預けておいたお金から、返済が行えるように、というものです。

私はその説明を聞きましたが、本来より2割近い金額を毎月支払っていくのは辛い、少しでも毎月の負担を小さくしたいと考え、結果、弁護士との委任契約を解除することにしたのです。

そのため、問題なく期日までに返済をしていれば何の問題もないですが、返済に遅れたりすると、債権者からは直接私に連絡が来ることになります。

しかし、任意整理後、特に返済開始当初は、期日を遅れてしまう事が多々ありました。

銀行やクレジットカード会社へ何も連絡をしないということをしてしまいました。

お金を何とかしようと考え、走り回り、それでもどうにもならず、身も心も疲れ、もう電話なんてする気持ちになれない…といった心境です。

返済の延滞。そして、放置。

その結果、弁護士との委任も解除してしまっているため、債権者からは私に直接連絡が来ます。返済がなされていない事を告げられ、返済日、返済額を問い詰められていくことになります。

そんな事を何度か経験し、よくわかったのは、期日に遅れる場合、何の連絡もせずに放置しておくと、延滞という問題をより大きく、より複雑に、より面倒にします。

借金返済の放置は、何ひとつメリットがないです。

返済が遅れる時に最も有効な対処法

連絡をせず放置するのは何ひとつメリットがない、ではどうすればよいのか、答えは簡単、電話を一本するだけです。

誰に電話するのか?

借金している、支払いをしないといけない会社にです。

銀行であっても、消費者金融であっても、クレジットカードであってもです。

それも、返済期日前日、もしくは当日です。「返済期日以前」というのが重要です。

返済に遅れるという事を告げるのは、気持ちが進まないものです。厳しく理由を追求されるんじゃないか、怒鳴られるんじゃないか、嫌味を言われるじゃないか…不安になります。

しかし、そんなことは決してありません。

2カ月以上延滞となると話は変わってくるかもしれないですが、少なくとも、最初月の延滞の場合、電話連絡をしたら、すんなりと数分で話は終わります。

こんな感じです。

電話受付「はい、〇〇会社です」

私「××と申しますが、返済日についてご連絡です」

電話受付「承知いたしました。お名前をフルネームで、それから生年月日をお願いします」

私「"苗字・名前"です。生年月日は、YYYY年MM月DD日です」

電話受付(確認をしている)

電話受付「確認いたしました。ご本人様確認のため、住所をお願いいたします」
※ 本人確認情報は、会社によって、電話番号だったり勤めている会社名だったりします。

私「"住所"です」

電話受付「ありがとうございます。それでは、担当におつなぎしますので、少々お待ちください」

電話口(音楽が流れています)

担当者「お電話変わりました□□です。××さん、返済日について、どうされましたか?」
私「今月支払いが間に合わないため、来月の給料日、■日にしていただけないでしょうか?」

担当者「そうですか、わかりました。来月の■日ですね。では、■日に支払いが終わったら連絡いただけますか?

私「はい、わかりました」

担当者「それでは、よろしくお願いいたします」

これだけです。時間にして3~4分といったところです。

そして、約束の■日、午前中に支払いを済ませ、そしてまた、電話をし、支払った旨を告げます。 

こういった経験をし、電話連絡することに抵抗を感じなくなった私は、以降、返済に遅れそうな時、迷わず、電話をするようになりました。

とある会社のひとつは、何度も返済を遅れ、その度に電話をし、その結果、何も誇れることではないですが、担当者の直通の番号も教えてもらいかなりの融通もきかせてくれるなど、親しく(?)なっている担当者もいます。

返済が遅れそうになってこの担当者の直通に電話をすると、

担当者「ああ、〇〇さん、お世話になってます。どうされました?今月は、大丈夫そうですか?」

私「それが、今月は難しくて、△万円はあるんですが、あと一万円足りないんです」

担当者「そうですか。いいですよ、〇〇さんはちゃんと約束守ってくれるので、今月△万円払わず、来月まとめてでも。どっちにします?」

私「ありがとうございます。でも今ある分は払っておきたいので、△万円は払います」

担当者「わかりました。じゃあ今月は△万円の返済ですね。残りの一万円は、来月の給料日に支払うでよいですか?」

私「はい、給料日に払います」

担当者「来月の給料日は…■日ですよね?」

私「はい、■日です」

b担当者「わかりました。じゃあまた何かあったら連絡ください。寒くなってきたから身体気をつけてくださいね。いつも、連絡いただきありがとうございますー!」

…こんなやり取りです。

 一番大切なのは信用を得られるか

借金抱えて任意整理した人間がいうのも気が引けますが、人と人、個人と法人の間で重要なのは信用です。

お金を貸している方が最も嫌なのは、お金を返さない、バックレられることです。

そのため、返す意思がある事、そして返済日を伝えれば、理解してくれます。この人返す気ないんじゃないか?とならないことが大切です。

支払い日という約束が果たせない場合、それを伝える。支払い日以前という事を強調したのは、支払い日を一日でも遅れると、その時点で、約束を破ったことになるからです。

信用ポイント・マイナスになります。

そして、延滞跡に約束した返済日には、必ず(他の支払いより優先して)支払い行います。

そうすることで、また支払いが遅れそうな時にも、支払う意思もあり、前に遅れた時もその後ちゃんと支払ったという信用のもと、支払い遅延に応じてくれます。

支払いに遅れそうなときに最も有効な対処法、それは、シンプルですが、支払い期日以前に電話をすることです。

債務整理をして一番よかった事

債務整理とは、借金を減額したり帳消しにすること

4年前に、債務整理をしました。

債務整理は、返済が苦しくなった借金を、法律家の力を借りて減額や返済計画を立てる、もしくは帳消しにすることで、任意整理、個人再生、自己破産の3つの種類があります。私がしたのは「任意整理」です。

任意整理は、弁護士が代理人となって債権者(銀行や消費者金融、クレジットカード会社)と交渉し、利息の支払いを無くしたり、毎月の返済額の減額といった事をしてくれるものです。

弁護士と債権者との間でやり取りが行われ、裁判所を通すことはありません。逆に、個人再生と自己破産は裁判所を通し、手続きも任意整理に比べて非常に複雑です。

そのため、任意整理は、借金で生活が困難になった時、選ばれる借金整理法の代表的なものです。

任意整理をするメリットは、 以下になります。

  • 利息の支払いがカットされる
  • 毎月の支払い額が減る
  • 債権者からの取り立てや催促が止まる
  • (過払い金がある場合)過払い金が戻ってくる

となります。

これだけ書くと聞こえはいいですが、メリットだけであれば、借金している人誰しもがやるわけで、当然ながらデメリットもあります。

  • 新たにクレジットカードは作れない
  • 新たな借り入れ先から借金は出来ない
  • 既存のローンやクレジットカードの増額はできない
  • 銀行が交渉相手の場合、口座が凍結される
  • クレジットカードが会員停止になる場合がある

などです。


任意整理はこんな風に進みます

私は、積もりに積もった借金の返済が追いつかなくなり、延滞してしまうようになります。

特に、30万円程の延滞となってしまったクレジットカード会社があり、この会社の担当者といつ払ういくら払うといったやり取りを電話で何度かしました。多少、厳しい言葉も飛び交いながら、〇日までに返済することになりました。

しかし、〇日が迫っても支払うお金が用立てできません。

それまで何とか返済をしてきたものの、もはや万事休す…と観念し、インターネットで任意整理を調べ、借金問題で実績もあり評判もよい弁護士事務所に電話します。

そして、まさにクレジットカード会社と取り決めていた〇日に、弁護士事務所を訪れました。

事前に電話でなかなか予約が取れなかったのですが、何としても〇日までにお願いしますと繰り返し、何とか予約を取ってもらいました。

私の必死感を感じ取ってくれたのでしょう、電話口の女性は、

「〇日にお待ちしています。借金問題のプロですから、色々心配でしょうけど安心してくださいね」

と言われ、非常に心強く感じた記憶があります。

当日、弁護士事務所を訪れると、面会室に通されます。そこに登場するのは、弁護士でなく、事務員です。

お互い自己紹介をした後、一時間くらい、以下のようなことを細かく質問されます。 

  • 全ての借金の総額と毎月の支払い額
  • 現在の収入
  • 臨時収入(ボーナスやインセンティブ、副収入)
  • 普段の支出(家賃、公共料金、携帯電話料金、保険代、交通費、食費、交遊費、雑費…)

 特に、支出の内訳は非常に細かく聞かれます。

それらの質問が終わると、毎月の収入と支出が出て、現実的な支払い計画が可能か検討されます。

そこで、実現可能な支払い計画が出来れば、任意整理着手となります。

そうして、弁護士が登場します。作成された支払い計画を確認、そして、任意整理を受任する契約書に署名、捺印が行われます。

これで、任意整理の手続きは終了です。

手続きが終了すると、弁護士から債権者へ「受任通知」が発送されます。これを受け取った債権者は、銀行も消費者金融もクレジットカード会社も、債務者本人(つまり借金している人)へ直接の連絡(取り立て、催促の電話も郵送も)が出来なくなります。

私の場合、受任されたのが支払い期日でした。受任通知が発送されて債権者へ届くには数日かかります。そのため、任意整理の受任が決まった後、すぐにカード会社へ電話、弁護士へ依頼、受任されたことを告げました。

すると、以前まで勢いがあったクレジットカード会社の担当者が、

「そうですか…わかりました。確認を取るので弁護士の先生の連絡先を教えてください」

一気にトーンダウン、弁護士の力は強いんだなぁと感じた瞬間でした。

弁護士事務所によって債務整理の手続きの流れは多少違いがあると思いますが、概ね同じようなものだろうと思います。ポイントになるのは、現実的に可能な支払い計画が立てられるか、だと思います。

収入が無いとか少ない、もしくは借金が多すぎるとなると、個人再生や自己破産ということになると思います。

このような手続きを経て行われる任意整理は、借金を整理する手法として有効なものです。ただし、任意整理は借金を帳消しにするものではありません(自己破産は帳消しになります)。あくまで、現実的に返済できる計画を作りそれを実行するものです。

そのため、任意整理をしたからといって突然生活が好転するわけではない、という点にも注意が必要です。 

任意整理したからといって生活が楽になるわけではない

任意整理が着手されると、銀行や消費者金融、クレジットカード会社からの連絡はぴたりと無くなります。また、銀行や消費者金融、クレジットカード会社への支払いもなくなります。

ただし、借金の支払いがなくなったわけではありません。弁護士事務所へ支払いを行うことになります。

複数の支払いがある場合、一社一社へ振り込むことになりますが、その総額を一度に弁護士事務所に払うことになるため、振込手数料分、得することになります。

任意整理は、弁護士と債権者との交渉によって和解に至って初めて利息カットや毎月の支払い額などが決定されます。そのため、受任されたからといって任意整理がすぐに終わるわけではありません。

私の場合、複数の債権者がいたこともあり、全て終わるのに4カ月かかりました。

全ての債権者と和解に至り、そこで、その後の毎月の返済金額が決定となります。

個人再生であれば借金を五分の一、個人破産であれば0円となりますが、任意整理の場合、利息分カットが主です。原本も削減できることがあるかもしれないですが、私の場合はありませんでした。全て、利息分カットのみでした。

また、返済期間は、各カード会社によってバラバラですが、3年~5年です。

利息分カットの総額を、返済する月数で割った金額が毎月の返済額となります。そのため、任意整理による毎月の返済額は1~2割減といったところです。

10万円を毎月支払っていたとしたら、8万円~9万円への減額です。

負担が減ることは事実ですが、大幅に返済が減るわけでなく、任意整理後、自身の生活を変えていかなければ、苦しい生活を強いられることになります。

※ 借金の中で過払い金があれば、任意整理でも大幅な減額もしくは逆にお金が戻る場合もあります。

実際、私は、任意整理をした後、生活が苦しくなりました。

任意整理の際に決めた返済計画、そして、家賃や公共料金等、毎月の支出計画通りに行けば返済していけるはずですが、そう上手く計画通りにはいきません。

生活を改める気持ちはあっても、急に180度全てを変えるというのも難しいものです。節約といった言葉とかけ離れた生活を送ってきたのが、わかってはいても、金銭感覚というのをすぐに変えられず、無駄なお金も使ってしまいます。

お金が足りなくなっても、冒頭に書いたように追加の借入も新規の借入もクレジットカードも作れません。

そのため、非常に困った事態になったことが何度もありました。給料日までの間、食費や交通費にも困るといったこともありました。

そのように本当に困った事態になって、ようやく、自分のお金の使い方や生活を改め、何とかやりくりして今に至っています。

任意整理をして一番よかった事

任意整理をしたことで、すぐに楽になったわけでなく、非常に苦しい思いもしました。

しかし、現在は、安定した生活を送ることができており、任意整理たいことは、全く後悔していません。まだ完済には至っていませんが、十分に完済可能な目途がみえています。任意整理後の苦しさは一時的なものです。正確には、一時的な苦しさにすることができます。

私が任意整理をして一番良かったと思うことは、借金を返すという事に向き合うことが出来たことです。

前回の記事で書きましたが、それまで、借金は返すお金でなく、自由に使えるお金という意識がありました。それが、はっきりと返すお金となったのです。 

 

shakkin-knowhow.hatenablog.com

 

これは、大きな違いであり変化で、変えさなければいけないお金という意識になったことで、生活を改め、節約を心掛け、また、お金を作る方法を考え、それを実行していくことになりました。

任意整理後の苦しみを一時的なものにするにはこうした、任意整理をきっかけとして、意識の変化、そして行動の変化が必要だと思います。

任意整理は、借金の減額や利息のカットなど具体的なメリットによって説明されることがありますが、一番のメリットは、借金を返すという意識の変化を起こすことだと思います。

借金が1,000万円に膨れ上がった理由

10万円から始まった借金生活

f:id:sknknow:20180514231753j:plain

最初の借金は、20歳の時でした。

消費者金融のアコムです。

若い時から、よく言えば不労所得、悪く言えば楽して儲けることに興味があり、株をはじめとした投資の勉強(勉強と言っても本を読む程度)をしていました。

そして、バイトで貯めた10万円で株を始めました。

ネット証券に口座登録、10万円を入金します。最初は、自分が買った株価が上がり、上機嫌となります。色々勉強してきた甲斐があった!と。

その後も、しばらく、調子よく10万円だった資金が20万円近くにまで増えました。 

しかし、そんな調子は、長く続きません。上がると思って買った株の値が下がって売却。損した分を取り返そうと別の銘柄を買いますが、それもなかなか上がらない。そうこうしているうちに、元の10万円程に資本が減少します。

さらにこの時、大した理由でもなかったと思いますが(気になっている女子の食事をご馳走するとかプレゼントするとか)、10万円の資本金から数万円を引き出してしまいます。さらに別な用事で数万円をさらに引き出し、そして、買った株価は下がり続ける…。

10万円の投資は失敗に終わります。

ここでまた、バイトに精を出してお金を貯めればよいのですが、手っ取り早く投資するお金を得る方法がないか考えます。そして、導いた答えが借金でした。

事前にいろいろ調べ、はじめての借金は「はじめて~の~アコム」を選びます。

そして、アコムから10万円の借金をし、株へ投資します。借りたお金、株ですぐ取り返せばいいんだ、と思っていました。しかし、そんなに上手く事は運びません。所詮、株の初心者です。

結局、前と同じように10万円を失います。

そして、残ったのは、10万円の借金です。

借金を「返すお金」でなく「使えるお金」と感じるようになる

この時は、残った借金を苦痛と感じませんでした。たかだか10万円、まだ若いし、何とでもなる、そう思っていました。

この時、借金に対して苦痛だったり罪悪感だったりを感じればよかったのかもしれません。しかし、カードローンのカードを、銀行のキャッシュカードと同列に扱うようになります。

自分のお金としていつでも使えるお金になるんですね、返すお金でなく。

そして、返済して返済した分を借りる、ということを繰り返していくようになります。10万円の借金なので、毎月の返済は数千円です。また借りられる金額も数千円程度です。

その数千円を我慢すればよいのに、「使えるお金」だから何のためらいもなく返しては借りるを繰り返すようになります。

そんな事を数カ月繰り返し、ATMでまた借りようとした時、画面で「追加融資」の案内がでてきます。ちゃんと返済しているから追加融資ということですね。私は、ここでも「使えるお金が増える」ということで、何か特別使う予定もないのに、いつか使うかもしれないし…という安易な気持ちで、追加融資を申し込みます。

おそらく、20万円くらいの融資だったと思います。

たった5分程度で、何の努力もせずに「使えるお金が20万円も増える」という事実に直面し、金銭感覚がこの時、少しズレ始めたように思います。

20万円が使える、だからちょっと贅沢なご飯を食べる、ちょっと贅沢な時間を過ごす、ちょっとだけ、ちょっとだけ、20万円あるからちょっとだけ…を繰り返していきます。

そして、気がついた時には、追加の20万円は限度額が天井までいっています。

ちょっと贅沢を望む気持ちのベースが引き上げられ、一度引き上げられたベースは、なかなか元に戻せません。

ちょっと贅沢を望むベースが引き上げられ続け、車や家など、何か大きな買い物やギャンブルで大損したわけでもないのに、25歳頃には、レイク、アイフル、プロミスと、消費者金融4社から借り入れすることになっていました。

金額は、クレジットカードのリボ払いを含めると、合計、300万円程はありました。

最初、10万円で始まった借金が、ギャンブル依存や、FXで大損といったこともなく、数年で300万円にまでなることがあるのか?疑問に思う人もいるかもしれません。

しかしそれが、あるんです。

総量規制の法改正によって借金が急加速した二つの理由

その頃、一つの法律改正が施行されます。これによって、借金の増える量がどんどん加速していくことになります。

その法律は、2007年に施行施行された、賃金業法の総量規制です。借入金額は、年収の三分の一までとするものです。

この法改正、総量規制を敷くことで、個人の借金の負担や破産を減らそうという意図でしたが、少なくとも私にとっては逆効果となりました。

理由は2つあります。

一つ目は、クレジットカードのショッピング枠をそれまで以上に使うようになったことです。

法改正がなされた時点で、消費者金融からの借金総額は、年収の三分の一を超えていました。そのため、追加の借入はできません。それまで返済すれば返済した分はまた借入できていたのに、それが出来なくなります。返済専用となったのです。

そこで、いつものように、もうちょっとお金が必要となった時、それまで現金で支払っていたものでもクレジットカードを使うようになります。そして、支払いをリボ払いにします。

リボ払いも、上限があるため、追加上限金額を申請していきます。

私は、仕事もちゃんとしていましたし、支払いを遅れたりといった事は一度もありませんでした。

そういった事が、カード会社からして、良属性とうつったのでしょう、一定の期間を空けて申請すれば、限度額は上がっていきました。

もう一つの理由は、銀行カードローンです。

総量規制によって、借金は年収の三分の一までとなりましたが、これは、賃金業法であって貸金業の会社、つまり消費者金融が対象であって、銀行は、その対象となりません。つまり、銀行からの借り入れは、年収の三分の一を超えることができます。

消費者金融から追加借り入れが出来ない、クレジットカードのショッピング枠も限度額ぎりぎりで、追加申請するにはまだ期間が空いていない…、そこで、わたしは銀行カードローンに借金を申し込んでみることにします。

それまでの消費者金融と違って敷居が高い印象がありましたが、何てことはなく、すんなりと借入ができました。

近頃は多重債務の温床として批判されることもある銀行カードローンですが、当時は、消費者金融で借りられない人に向け、新たな顧客確保のチャンスとばかりに、今よりも積極的に融資に動いていたと思います。

私は、その時流にのったということなんでしょうね。

私の会社では、ボーナスがでます。また、業績が良いと、業績賞与として年度末にそれなりにまとまったお金をもらうことが出来ます。

私は、まとまったお金が入ると、借金の返済をまとめて行いました。特に大きな買い物をする予定もなく、また、冒頭に書いたように「返すお金」でなく「使えるお金」という意識があり、どうせ後で使えるから、一度、まとめて返しておこうという感覚です。

そういう時、消費者金融の一社、または二社、完済してしまう時があります。

結果的に、それらの消費者金融から追加の借り入れを行うことになるのですが、一時的に借金が大きく減ります。

そうすると、1カ月~3カ月たつと、銀行から、増枠の案内がきます。30万円、50万円の増額案内の時もありましたが、100万円の増額案内といった時もありました。

一度に借金が大きく減少し、支払い遅延もない、追加の借り入れもしている、年収などの属性も悪くない…銀行側から優良顧客と判断されていたのだと思います。

増額案内があると、使う予定がなくても、全て増額申請し、そして、増額されました。

そうすると、「使えるまとまったお金」がある状態となって、懐に大きな余裕がある精神状態となります。実際は、「返さないといけないお金」が膨らんでいるにも関わらず。

その結果、お金使いがどんどん荒くなっていきます。友人や会社の同僚と夜に豪遊といったことも繰り返していくようになります。一晩で10万円、20万円使うといったこともざらにありました。

そんな事を繰り返しているうちに、銀行カードローン300万円が二社で合計600万円、もとからあった300万円、さらにクレジットカードのリボ払いを含め、合計1,000万円強の借金を抱える身となっていたのです。

1,000万円に膨れ上がった借金生活を振り返って思う事

振り返ってみて、借金1,000万円になったのには、たくさんの原因があります。無計画さ、お金の管理の杜撰さ、荒さ、意識の甘さ…

いま思う一番の原因とは、借金を「使えるお金」と意識してしまったことだと思います。借金は「返すお金」です。「返さなければいけないお金」です。当たり前のことなのに、お金が借りられる状態になると、そんな頭り前のことがわからなくなってしまいます。

借金は「返すお金」です。 

誰もが、様々な理由で借金をすることはあるでしょう。その時に、借金は「返すお金」であるということを、強く意識しないと、金額の大小はあれど、私のような経験をしてしまう危険が常にある、そう思います。

借金1,000万円の完済が見えてきた

借金1,000万円完済の目途がたってきました。

振り返ると、よくここまで来たなと思います。

約4年前、債務整理(任意整理)を行いました。

当時、銀行カードローン、消費者金融、クレジットカードあわせて借金総額1,000万円強でした。一カ月の支払い額は、20万円弱です。

毎月20万円弱が固定の支出というのは、普通のサラリーマンからすると、非常に大きな痛手となります。当然、20万円弱の支払いの他、家賃や公共料金等、固定の支払いは発生し続けます。

そうすると、固定支出だけで給料ほとんどを使うことになります。余裕なんてものはありません。しかし、仕事上、飲みに付き合わなければいけない時もある、結婚式への参加など急な出費がでるときもある、家計は常に赤字と向き合わなければいけない状況でした。

常に頭の中は金策でいっぱいです。

それでも、債務整理後、自己破産せず、毎月20万円弱を何とか、何とか、何とか…支払い続けてきました。

ここまで来るのに、多くの苦境(どれも元は自分のせいなので誰も責められません)がありました。しかし、それらを何とか乗り越えてきました。

まだ完済には至っておらず、余裕のある生活ではありません。しかし、一カ月の支払いは10万円弱となり、生活への負担は大きく減り、残り1年数カ月、完済も目途がみえてきました。

自分がしてきた/していく経験や情報は、借金に苦しむ似たような境遇の人にとって、きっと何か役に立つだろうと思い、ブログに書いていきたいと思います。